ポータブル電源に複数の差込口があっても、空いているところへつなぐだけでは給電方法を選べません。最初に見るのは、使いたい機器の説明書や銘板にある入力方式と必要な電力です。その後に電源側の端子別仕様、最後に使いたい時間を確認します。ここではAC出力を備えるAnker Solix C300 Portable Power Station(A1722、ダークグレー)を具体例にします。名前の近いC300 DCはAC出力のない別製品です。
使う機器から出口を決める

スマートフォンなどUSBで充電する機器は、機器側が受け付ける方式とケーブルの対応範囲を確認します。USB-C端子の形が同じでも、出せる電力や使える充電方式は一律ではありません。ノートPCもUSB-Cで給電できるか、必要な入力が何WかをPC側の資料で確かめます。
車載機器向けの丸いシガーソケット出力は、対応する12V機器用です。接続機器の電圧・電流とプラグの適合を確認せずに、形の似た端子を差し替えないでください。家庭用プラグを使う機器はAC出力を検討しますが、機器の定格消費電力に加えて、起動時や運転モードによる変化も機器側の資料で確認します。住宅の配線へ電気を送り込む用途には使いません。
| 接続先の例 | A1722で確認する出力 | 接続前に見る点 |
|---|---|---|
| USBで充電する機器 | USB-A最大12W、USB-C1最大15W、USB-C2・C3は各最大140W | 機器の入力方式・必要W数、ケーブルの対応 |
| 12Vの対応機器 | シガーソケット出力12V・10A | 機器の電圧・電流、プラグの適合 |
| 家庭用プラグの機器 | AC出力の通常定格は合計最大300W | 機器の消費電力と起動条件 |
これらはAnkerのA1722取扱説明書にある端子別の上限です。USB-C2は本体への入力にも使える端子ですが、USB-C1とC3は出力専用です。USB-AとUSB-C1を同時に使う場合、説明書の合計上限は20W。各端子の最大値を足して、同時に必ず取り出せる量とは読みません。
出力Wと容量Whを別々に確かめる
A1722の電池容量は288Wh、通常のAC定格出力は300Wです。Whは蓄えた電力量、Wはその時点で供給できる電力の目安で、役割が違います。公式ページには瞬間最大600WやSurgePadの500Wも載っていますが、どちらも通常AC定格300Wに置き換えて判断しません。SurgePadには接続機器や使用状況の制限があるため、特別モードを前提に機器適合を断定しないでください。
たとえば機器が一定20Wで4時間動くと仮定すれば、機器側の電力量は20W×4時間=80Whです。これは当サイトの説明用計算で、特定の機器の実測値ではありません。電源から機器までの変換損失、本体の待機電力、機器の消費電力の変動があるため、容量288Whをそのまま80Whで割って実際の運転時間を確定できません。USB、DC、ACで損失も同一とは限りません。時間の見積もりは稼働時間の概算と限界も参照してください。
準備するときの確認順
機器ごとに「入力端子・電圧・必要W数・使う時間」を書き出し、ケーブルの仕様を添えます。次に、電源のその端子の上限と、同時使用時の合計上限を説明書で照合します。最後にW×時間で機器側の必要Whを概算し、損失を見込んで余裕を確認します。WとWhの違いを先に整理すると、端子の最大Wと電池容量Whを混同しにくくなります。
今回確認した端子値はA1722固有の仕様です。ほかの製品へ数字を移さず、その製品の説明書と接続機器の資料を組み合わせて判断してください。医療機器への適合や停電時の無停止給電を、この端子表から保証することはできません。
